【高校数学】各単元分野別 難易度・重要度【新課程対応】
【高校数学】各単元分野別 難易度・重要度
- 新課程対応?
- 各単元の全体像
- 各単元の分野別難易度・重要度
(この記事では数学ⅠaⅡbⅢなどの分類を単元、そのかの二次関数であったりベクトルなどの分類を分野とします。)
Ciao!
数学リストランテへようこそ。
高校数学の学習を始める時
「新課程になったけど、高校数学ってどうなるの?」
「高校数学を勉強し始めたけど、なんだか全体像が掴めない。」
「どの単元が難しくて、どの単元が重要なの?」
これらの疑問が浮かび上がると思います。
今回の記事ではそのような疑問を解決していこうと思います!
では見ていきましょう。
新課程対応?
2022年からの高校数学の新課程の概要を知っていますか?
個人的にはあまり変化のない新課程だと考えています。
なぜなら旧課程の分野が移動するだけで、これといって新しい分野が追加されるわけでもなく、何かの分野が消えるわけでもないからです。
具体的に見ていきましょう。
- 数学cが単元として設置され「ベクトル(旧課程b)」「式と曲線(旧課程Ⅲ)」「複素数平面(旧課程Ⅲ)」が移行
- 数学aの旧課程「整数の性質」が新課程「数学と人間の生活」に変更
- 「統計的な推測」が数学bで必須化
- (データの分析に仮説検定、確率に期待値)
以上が大きな変更点になります。
まず数学cが新単元として設置されますが、中身は旧課程にあった分野が移動してきただけです。
数学aの変更点ですが、これは名前が変わっただけとして捉えても良さそうです。
今回の新課程での大きな変更点といえば他の2つでしょう。
これらからもわかる通り高校数学は全体的に統計化します。
ですがさっきも言ったようにこれといって新しい分野が追加されるわけでもなく、何かの分野が消えるわけでもないので、各単元を分野別に解説したこの記事にあまり影響しないと考えています。
もちろん全体的に少し統計化することでさらに難しくなる分野、簡単になる分野があってもおかしくないと思いますが、多少の誤差になると思うので基本的には気にせずこの記事を読んでもらえたらなと思っています。
各単元の全体像
(筆者の経験に基づきます)
まず旧課程では数学ⅠaⅡbⅢと左から学習していくのが普通ですが、関係性や特徴などはどうでしょうか。
「単元なんか早くやる単元は簡単で重要度が低くて後からやる単元になるほど難しくて重要度が上がる」
と思っていませんか?
結論から言うと筆者が思う難易度、重要度の関係は次のようになります。
・難易度
a,b > Ⅲ > Ⅱ > Ⅰ
・重要度
Ⅱ,b >> a > Ⅲ > Ⅰ
少し違和感がありますか?
しかしある程度の学習を終えた受験生の中には共感してくれる人も沢山いると思います。
まず難易度ですが、これは単にその単元の各分野の平均の難易度を並べたものです。
そして重要度の判断基準ですが、これは他の分野への関係性が多い、などを判断基準にしました。
(なおその他の分野というのは数学という学問を範囲にしているのではなく、高校数学の範囲に留めます)
では各単元の全体像を見ていきましょう。
数学Ⅰ
この単元は中学数学の少し応用程度のものが多くてあまり難しいと感じることは少ないかもしれません。
しかし高校数学の基礎の土台となってくる部分でもあるので少し重要度は高いです。
また、あまり難しくないと言いましたが、新しい概念の三角比や中学数学と比べると複雑さが格段に上がる二次関数にはてこずる人も多いです。
数学a
この単元は非常に厄介です。
「え?これも中学数学の応用じゃないの?」
そう思う人も多いと思います。
確かに新しい概念的なものは少ないですし、見た目はシンプルなものが多いのです。
しかしだからこそどこまででも発展させることができるし、難しい問題を作りやすいんです。
またこの単元は他の分野と融合した形で問題が出題されることも多く、重要な分野であるともいえます。
あのような順位になったのも少し分かりますね。
数学Ⅱ
この単元は初めて学習する際にとても苦労するかもしれません。
なぜなら新しい概念が次々に登場するからです。
複素数、軌跡、領域、三角関数、指数関数、対数関数、微分、積分、
これらを全て受け入れるのは大変なことですが、高校数学ではとても重要になるものばかりなので、必死に食らいついて勉強しましょう。
しかし概念を受け入れるとパターン的になるものが多く、問題を解く時もあまり難しいと思う事は少ないかもしれません。
なのであのような順位になりました。
(しかし軌跡や領域のように概念理解自体が非常に難しい爆弾的なものもあります)
数学b
この単元でも新しい概念としてベクトル、数列が登場して非常に受け入れるのが困難であり、他の分野への融合も多いものとなっています。
しかし数学Ⅱと同じようにパターンで解けるものは少ないです。
ここが厄介なところなんですよね。
その問題その問題で思考力を問われるベルトルの問題や、真新しい漸化式など応用度も高いです。
ですから、難易度も重要度も非常に高いです。
この単元では新しく理解が難関な分野が登場しますが、高校数学では厳密に定義することが出来ないものが多く、発展的な内容の問題を作ることが難しいです。
それゆえパターンで解くことがほとんどであり一通り学習することが出来たら、得点源にすることが可能になります。
また他の分野への融合が難しく単独で出題されることが多く重要度はあまり高くありませんが、共通テストの範囲外であるため二次試験での出題率は高く、重要度は低いと言っても沢山の演習が必要となります。
また、計算量が半端じゃなく、やはり難しいことは否定できません。
あのような順位にした理由が少しは分かりましたか?
各単元の全体像はつかめましたか。
では次の章からなぜこのように考えるのかを各単元の各分野を深掘りして見ていきましょう。
各単元の分野別難易度・重要度
この単元には主に次の分野があります。
数と式、集合と命題、二次関数、図形と計量、データと分析、
基本的には理解が簡単なものが多く、学習を進めやすいと思います。
・数と式
言葉の通り数と式の基礎的なテクニックを養います。
・集合と命題
高校数学から導入される新しい概念が多く、基本的な論理力を養います。
・二次関数
中学数学の応用として二次関数を題材に最大最小、不等式などを考えます。
・図形と計量
三角比を導入し、図形問題を機械的に処理する方法を学びます。
・データと分析
新しい概念として分散や相関関係を考えます。
難関大を志望してる人は特に集合と命題をきっちり学習しましょう。
問題文の正確な読み取り、アバウトな関係を集合で整理する、正しく論理的に議論を進める能力がつくと思います。
数学a
この単元では以下の3つの分野を扱います。
場合の数・確率、整数、図形の性質、
この3つの分野全てに言えることは応用的な問題が多く、その問題その問題で数学的な思考力が求められます。
なのでここで言及できることは多くありません。
多くの演習を積んで数学的な思考力を高めましょう。
数学Ⅱ
この単元では以下の分野を扱います。
式と証明、複素数と方程式、図形と方程式、三角関数、指数関数と対数関数、微分法、積分法、
どれも真新しい概念が多く学習に手こずるかもしれません。
・式と証明
数学Ⅰの応用のような形になっていますが、内容的には比にならないほど発展します。
特に等式、不等式の証明は舐めがちですがとてもとても重要です。
どの分野にも現れるのでしっかり学習しましょう。
・複素数と方程式
ここでは新しい概念の虚数が導入されます。
ここではそこまで難しく考えなくていいです。
そして二次方程式の解、判別式など、解と係数の関係、剰余の定理、因数定理、高次方程式などを通じて方程式の理解を深めます。
どれも重要なものです。
・図形と方程式
方程式を座標平面上で表し図形的に考える分野です。
数学的にもとても価値のある学習内容でもちろん高校数学においてもその役割は非常に重要です。
また、軌跡と領域は初めて学習するときてこずらない人がいないと言ってもいいほど難しいです。
なおかつこの分野は難しくしようと思えばどれだけでも発展的な内容にできるので、難関大学では好まれて出題されます。
粘り強く学習しましょう。
・三角関数
この分野の前半部分は数学Ⅰの三角比の応用のような形になっていますが、加法定理以降は発展的な内容です。
公式が多い分野のように思われがちですが、証明などを理解して追っていけば暗記の必要もありません。
定理などの意味を考え、証明を理解して学習することを特に心がけましょう。
・指数関数・対数関数
ここでは指数の理解を深め、新しい概念の対数を勉強します。
また、この分野は初めの学習に大変手こずると思います。
軌跡と領域ほどでしょうか。
しかし三角関数と同じく定理などの意味を考え、証明を理解して学習することを心がけるとスムーズにいくと思います。
パターンなものが多いので一通り学習したらもう大丈夫です。
・微分法
新しい概念の微分についての理解を深めます。
しかしあまり踏み込んだものではなく、今までの範囲を十分に理解しているとそこまで難しいと感じないかもしれないです。
意外と得点源になります。
あまり恐れず学習を進めましょう。
・積分法
ここでは微分と逆の操作の積分を学び、面積との関係なども学習します。
新しいことばかりでつまずくかもしれません。
初めの新しい概念を受け入れることさえできればそこまで難しいと感じないことが多いです。
数学b
この単元ではベクトルと数列を扱います。
高校数学の中でも独特の分野だと思います。
・ベクトル
高校数学で唯一方向をもつ変量を扱います。
しかも演算、成分表示、内積、方程式、空間への応用と全て一つの分野で完結させているので、とてもヘビーです。
また、ベクトルは他の分野への融合が多いものなので、重要度は高いです。学習を終えるには相当な時間と労力が必要になりますが、頑張りましょう。
・数列
この分野も学べば学ぶほど深くなる面白い分野です。
前後の関係から一般項を求めたり、新しい概念の漸化式について学習します。
数列はもちろん、漸化式は確率、極限などによく融合されます。
また、高校数学においてとても重要な数学的帰納法の導入もこの分野で行われます。
ベクトルと同じく学習を終えるには相当な時間と労力が必要になりますが、頑張りましょう。
数学Ⅲ
この単元では
複素数平面、式と曲線、極限、微分法、積分法、などの分野を学びます。
一通り学習ができれば得点源にすることができると言いました。
そのとうりなんですが、高校数学の集大成と言われているこの単元はやはり難しいです。
・複素数平面
この分野では数学Ⅱで学習した複素数の理解を深め、応用して座標平面上に表し、図形的に考える分野です。
この分野は真新しい考え方をしますが、数学Ⅱのベクトル、図形と方程式の分野を十分に理解していたらそこまで難しくはないかなと思います。
しかしこの分野にしかない回転だったりって言うのは便利で応用が効きます。
僕個人の考えでは他の分野と1番絡みが多いのはこの複素数平面だと思っていて、重要度は高いです。
・式と曲線
ここでは放物線、楕円、双曲線などを主に学習します。
正直この分野は覚えることが多いですが難しくはないです。
あまりこの分野だけで応用するのが難しく、そこまで悩むことは少ないと思います。
・極限
ここでは数列の極限、無限級数、関数の極限などを学習しますが、
この分野は高校数学で厳密に定義することが出来ないので曖昧なところが多いです。
なのであまり応用的に考えることができません。
しかし極限は多くの分野と融合するのでしっかり学習しましょう。
・微分法
ここでは微分する関数の幅を広げ、方程式や不等式に応用していきます。
先ほど軌跡と領域は初めの学習がしんどいと言いましたが、微分法と積分法はそれの3倍くらいしんどいです笑。
初めの理解がとてもとても難しいです。
しかし何度も言っている通り、慣れればパターンなので根気強く学習しましょう。
・積分法
ここでは置換積分、部分積分、定積分の置換積分、部分積分、面積、体積などを扱います。
とてもとてもこの新しいのを理解するのは難しいです。
置換積分、部分積分を理解するのは合成関数の微分法よりも難しいかもしれませんが理解できたらどうってことないです。
また、体積は面積の原理を理解していればそこまで難しいと感じないと思います。
どうでしたか?
高校数学の全体像、各分野の特徴を理解してもらえましたか?
Grazie!
最後まで見てくださってありがとうございました。
当ブログでは受験生に有益な数学情報を無料で発信しています。
またのお越しをお待ちしています。